2014/08/15
戦時歌謡でも活躍した神長瞭月
演歌にバイオリンを初めて使用した演歌師、神長瞭月は、昭和10年代に流行歌の楽曲を提供している。彼の曲は大手レコード会社から有名歌手によって歌われ発売された。
神長瞭月はどんな時代になっても需要に応えて音楽活動をしていたようだ。
瞭月が関与した流行歌(戦時歌謡)「白衣の尺八」、「戦場の幼な子」、「別れの尺八」は現在でも、TouTubeでの曲を聴くことができる。
いずれも戦争関連であるが勇ましい曲ではない日本的な哀愁のある曲である。なかなかいい曲だと思っているが「戦友」と同じく歌う機会がない曲である。
「白衣の尺八」 塩まさる テイチク 作詩:神長瞭月、 作曲:田村しげる
(『九段の母』の片面) テイチクオーケストラ 昭和14年
「戦場の幼な子」 田端義夫 作詞:神長瞭月 作曲:神長瞭月
昭和14年8月発売
曲の間奏に子守唄のメロディを使用して兵士の故郷や母のことを思い出させている。
砲撃戦のその後で
拾った支那の幼子よ
慣れぬ手付きで抱き上げりゃ
懐く髭面不精面
慰問袋のキャラメルを
水に溶かして飲ませたら
思い出したか母さんを
探る乳房のいじらしさ
故郷を出る時抱いた子も
思えば丁度これくらい
達者でいるかまめなかと
便り書いたも今日の事
千人針と日の丸を
繋ぎ合せてネンコロリ
思い出したぞ俺もまた
母の背中で聞いた歌
「別れの尺八」 筑波 嵩 作詞:坂口 淳、作曲:神長瞭月
昭和16年。
名曲 「戦友」を思い出させる。激しい戦闘が終わった後の短い静けさ、戦死した友への思いを感じる。
秋が来たぞと雁がなく
月の露営の前線に
白い野菊の花ひいて
友が静かに吹き鳴らす
ああ尺八の音がさえる
腕に巻いたる包帶も
とれてうれしい弾の痕
俺もお前もこの丘で
花と散る気でいたものを
ああ感慨はただ無量
月の露営の風聞けば
亡き戦友の声がする
あすは別れだ前進だ
心ゆくまで吹いてくれ
ああ惜別の尺八を
その他、神長瞭月 作詩・作曲のレコード(戦時歌謡)
『別れの馬子唄』(音丸) コロムビア
『銃後の渡し守』(美ち奴) 昭和14年7月、テイチクレコード
「満州小原良節」 浅草美知奴 神長瞭月
浅草美知奴(美ち奴) 神長瞭月 トンボレコード 15635-B
嵯峨道雄作詩 中津ひさし編曲 伴奏トンボ和洋ジャズバンド オーゴン蓄音機株式会社発売
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神長瞭月 レコード 歌唱、作詞、作曲など
「松の声」 神長瞭月 NIPPONOPHONE
「深川くづし」 彌生ふじ子 大正時代
作詞:山口凌雲 作曲:神長瞭月 大正7年 「船頭小唄 彌生ふじ子」の反対面
風刺歌「ワンダーウ ワールド」 神長瞭月 UGUISU RECORD
流行唄「さすらひの歌」(神長瞭月) TOKYO RECORD
流行唄「新にこにこ節」(神長瞭月)TOKYO RECORD
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神長瞭月の戦時歌謡 (SP盤雑学ノート) 参照
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