嗚呼玉杯に花うけて(第一高等学校寮歌) 


フォーク以前から演歌師は自分たちで曲を作りその歌を歌う自作自演であった。もちろん、この寮歌もプロではなく、一高の寮生が作詞、作曲をした。

「嗚呼玉杯に花うけて」は明治35年(1902年)に作られた 「第12回紀念祭東寮寮歌」である。矢野勘治 作詞、楠正一 作曲で原曲は長調だったが、短調化して広まったようである。今は東大の応援団も短調で歌っている。
もちろん、われわれも短調のCmかDmで演奏しているが、仲間の演歌師1名だけがいまだに長調でかたくなに演奏している。

当時は、第一高等学校の学生以外に、番頭さんも小僧さんもほとんどの方がよく歌ったようである。そして、この曲を流用した替歌がたくさんできた。後からできた地方の高等学校の寮歌にも似ている曲がある。
大阪高等学校全寮歌「嗚呼黎明は近づけり」を歌い出すといつも「嗚呼玉杯」の曲がが頭に浮かんでくる。

ああ玉杯に花うけて by 昭和ロマンを楽しむ会(帝大生ゆめじ&青空ぴーまん)


ああ玉杯に花うけて(第一高等学校東寮寮歌)

ああ玉杯に 花うけて   緑酒に月の 影やどし
治安の夢に ふけりたる  栄華のちまた 低くみて
向ヶ岡に そそりたつ   五寮の健児 意気高し

芙蓉の雪の 精をとり   芳野の花の 華をうばい
清き心の ますらおが   剣と筆とを とり持ちて
ひとたび起たば 何事か  人生の偉業 成らざらん

われわれは「治安の夢にふけりたる栄華のちまた」でのほほんと暮らしていたのかもしれない。
平和ぼけした一般国民や政治家、官僚などの特権階級がこのような大災害が起こることは「想定外」にして、ライトアップしたり、都心近くの1海を埋め立てたりして便利に暮らしていたことを実感した。

夜は暗いもの、子供の頃は「暗くなったら帰れ!」、「夜に用事をするな」とよくいわれたものである。以前からなぜ夜に「ライトアップ」するのか理解できなかったんだがーーー、そのことを忘れていたが電力不足で思い出した。

「向ヶ岡にそそり立つ 五寮の健児意気高し」とあるのは、当時一高が向ヶ岡すなわち本郷弥生町(現在の東大農学部)の丘陵にあったことによる。その後帝大農学部との交換で、一高は昭和10年に本郷から駒場へ移転した。

嗚呼玉杯に花受けて 旧制一高寮歌 日本寮歌祭2010


矢野勘治:「春爛漫の花の色」「嗚呼玉杯に花うけて」を作詞
楠 正一:「嗚呼玉杯に花うけて」を作曲

ああ玉杯に花うけて 書生節 バイオリン演歌 大正演歌 演歌師 昭和の演歌師 平成の演歌師
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デイサービス施設での演芸一座

某有名演芸一座に加わり、都内のデイサービス施設で90分間の演芸ショーを行い、その中でゆめじはバイオリン演歌・書生節をやった。

マジックは大好きな(若い女性による)「ドレスチェンジ」があり、デイサービスフロアーがラスベガスショーのようになり皆さん驚いてまた喜んでいた。
 
演目:江戸芸、太鼓、日舞、歌、マジック、大道芸(バイオリン演歌・書生節)
 
<施設のニュース記事より> 
まずはプロの司会者による楽しいトークから始まり、力強い太鼓に歌、プロによるマジックショー等、沢山の出し物を披露してくれました!!
 

 
皆さま大盛り上がりで、ヴァイオリンの音色に合わせ懐かしい歌を歌ったり、北国の春を歌いながら体操したりと、笑い声や歓声の多い素敵な一日でした♪
 
 
 
 
 
 
 
職員もついつい見入ってしまいました^^
初めに北国の春を歌い・踊りながら、場の空気をがっちり掴んでいました
 懐かしい名曲の数々に、皆さまうっとりされています☆
 

 
アメリカにも進出するマジシャンの華麗なマジックです♪
とても綺麗で見惚れてしまいました☆
華麗なマジックのオンパレードです!

「東京節」 別名「パイノパイノパイ」


「東京節」はアメリカの"Marching through Georgia"(ジョージアマーチ)の曲に演歌師の添田知道(添田さつき)が作詞し、大正時代に大いに流行したコミックソングである。東京の名所が歌われており、別名「パイノパイノパイ」とも呼ばれる。

最初は東京名所のみを取り上げていたと思われるが、のちに大阪、神戸、京都や名古屋を歌った歌詞も流行した。また、世相を風刺する替歌もたくさん作られている。

東京節 by昭和ロマンを楽しむ会(帝大生ゆめじ&青空ぴーまん)  書生節演奏


  「東京節」
東京の中枢は 丸の内 日比谷公園 両議院
いきな構えの 帝劇に いかめし館は 警視庁
諸官省ズラリ 馬場先門(ばばさきもん) 海上ビルディング 東京駅
ポッポと出る汽車 どこへ行く
ラメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ
パリコト パナナで フライ フライ フライ

東京で繁華な 浅草は 雷門 仲見世 浅草寺
鳩ボッポ豆売る お婆さん 活動 十二階 花屋敷
すし おこし 牛 天ぷら なんだとこん畜生で お巡りさん
スリに乞食に カッパライ
ラメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ
パリコト パナナで フライ フライ フライ

いろいろな演歌師が歌っており、榎本健一や森山加代子も歌った。また、ザ・ドリフターズの「ドリフのバイのバイのバイ」もあった。
1971年公開の植木等主演映画「日本一のショック男」の挿入歌としても植木等が東京節(パイノパイノパイ)の替歌を歌っている。
最近ではアニメ「大正野球娘」で鈴川小梅も「東京節」を歌っていた。

われわれも演芸では必ず歌う書生節の歌である。
なお、今では「乞食」が不適切な用語であるため他の言葉にしたCDもあった。

「ラメチャンタラ ギッチョンチョンでーーーー」は意味不明であるが、ギチョンチョンははやし言葉のようである。さのさ節に「ぎちょんちょん」という唄がある。 
ぎっちょんちょん:日本国語大辞典 明治初期に流行した歌謡の中で用いられているはやし言葉

「高い山から谷底見ればーー」のぎちょんちょんは今でもお座敷でお姉さんたちとお客さんが一緒になってやっていた(お座敷遊び)。
http://www.youtube.com/watch?v=yTwq1fzXAZg
ぎっちょんちょん さのさ節(柳家小春)
http://www.youtube.com/watch?v=TVTXeLdZFxk

書生節 バイオリン演歌 大正演歌 演歌師 昭和の演歌師 平成の演歌師

江東区 春のぶんか祭 2011

2011年3月6日(日)に江東区文化センターで開催された「春のぶんか祭」にKOTO街かどアーチストとして参加した。日本の大道芸としては、糸操り人形、がまの油売り、バイオリン演歌、昭和ロマン演歌などがあった。
 

天気もよく、暖かくて思ったよりたくさんの方が立ち止まってわれわれの演奏を聞いてくれた。われわれの後が小学生のローラースケート演技のためか、たくさんの父兄も強制的に観客になったのも幸いであった。 
 
 




昭和ロマンの一番古い歌は昭和6年の「丘を越えて」で一番新しい曲が昭和57年(リバイバル)の「蒲田行進曲」で、上海帰りのリル、街のサンドイッチマン、東京の花売り娘などを含めて全部で15曲演奏した。(例外としては東京節とああ玉杯に花受けてを演奏)
 
終わってから、年配の男性に「軍歌はなかったね、歌わない主義なのですか」と問われた。「そんなことないですよ、戦時歌謡の空の神兵、ラバウル小唄、ああ紅の血は燃ゆる等はレパートリーとしてよく歌っていますよ」というと、その方は「花もつぼみの若桜ーー」と歌いだした。すると他の方も「見よ落下傘、空に降り、見よ落下傘、空をゆく!」と歌いだした。
 
昭和の歌というと戦時中の歌があると楽しみにしている方もいらっしゃるのだなあと実感した。というわけで話がどんどん盛り上がり、こんど「(昭和)戦時歌謡」特集をやりましょうという話にまで発展したが実現できるであろうか。「愛国の花」とかいい曲はたくさんあると思うのだがーーー
 
「軍歌は演奏しないといって懐メロでも古賀政男の曲ばかり演奏するバンドがある」ということも話題になった。苦しかった戦争時代のことを語り継ごうというイベントはたくさんあるが、その当時はやった歌謡曲まで意識的に削除してしまうのは「歴史を語り継ぐ」という理念に反していると考えるがどうであろうか。
 
某市の公共施設における春まつり行事で昭和歌謡を歌うイベントを実施する予定である。歌集を作成するとのことで事前に曲目リストを出して公共施設の方で選んでもらったが、戦時歌謡2曲の内、「空の神兵」が外れて、「ラバウル小唄」が選ばれた。1曲でも戦時歌謡を採用してくれたことに感謝したい。チラシで参加募集をしたら1日で 一杯になったそうである。
 
われわれ「昭和ロマンを楽しむ会」は書生節の精神でその当時歌われたどんな曲でも歌い継いで後世の判断を仰ぐという考えて活動している(ちょっと大げさな表現か?)。
 
 場所:江東区文化センター屋外(東陽町)
昭和ロマンを楽しむ会:帝大生ゆめじ&青空ぴーまん 
昭和ロマンを楽しむ会 バイオリン演歌 書生節 ウクレレ
 
糸操り人形 あさ鼓 (糸あやつり人形)

プロフィール

tyumeji

Author:tyumeji
日本の大道芸をみたりやったり、日々の活動を報告する。
昔懐かしきあのメロディーや風景を紹介します。

バイオリン演歌 大正演歌 書生節 演歌師 昭和演歌師 平成演歌師  昭和ロマンを楽しむ会(享受昭和浪漫的会) 戦時歌謡

昭和ロマンを楽しむ会 http://peaman.raindrop.jp/syowa-roman/index.htm

書生のアルバイトであったバイオリン演歌・書生節や「のぞきからくり」等の日本の大道芸について調べたりしたことを紹介する。 帝大生ゆめじ

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