真白き富士の根(七里ヶ浜の哀歌) -2-


元女学生には今でも人気のある歌であり、有名歌手のCDも沢山出ている。2010年にはボート遭難事故から100年になる。知らなかったがこの事件は映画にもなったらしい。
2006年6月18日(日)に開催された第一回大正を楽しむ会でバイオリン演歌としてこの曲を歌った。

一応どのキーでどう歌うかいろいろ帝大生として表現学を研究した。
普通はFでドから始まる場合が多いようだ。ダークダックスやソプラノ歌手等有名なプロのほとんどはFで歌っていた。なぜか倍賞千恵子はDで歌っていた。Dで歌うと曲の出だしが低いラの音であり歌いにくい。

やはり、Fで歌っているほうがキーが高く高音がきれいで感じがいい。でもバイオリン演奏はDの方が断然簡単である。レとラは開放弦で、あとは1と2の指がほとんどで3の指は高いレを押さえるときに1回使用するだけである。もちろん、レとラを4の指で押さえることもできるが、Dで演奏する意味が無くなる。
バイオリン演歌師は歌を強引にバイオリン演奏に合わせるということでキーはDに決まった。

   <七里ケ浜の哀歌>
真白き富士の根 緑の江の島   仰ぎ見るも 今は涙
帰らぬ十二の 雄々しきみたまに 捧げまつる 胸と心

ボートは沈みぬ 千尋(ちひろ)の海原 風も浪も 小さき腕に
力もつきはて 呼ぶ名は父母      恨みは深し 七里が浜辺

1.”ましろき”は最初が低いラから始まるのではっきりと、鼻声にならないこと。
2.ましろきから富士へ自然に向かって上がっていく。
3.無垢な女学生の気持ちで素直に歌う。小林旭にならない。鼻でこぶしをつけない。
4.6/8であり、ブレスの位置が5拍目と6拍目の間にあるので注意。
5.”帰らぬ十二のー”がサビであり、”のー”はフェルマータになってもならなくてもどこまでも伸びていく感じで。

<概説>
1910年 (明治43年) 1月23日:ボート転覆事故発生、乗っていた12名全員が死亡。
1910年2月6日:逗子開成中学校にて追悼大法会開催。鎌倉女学校生徒らにより、鎮魂歌としてこの歌が歌       われた。
1915年 (大正4年) 8月:レコードが発売された。
1916年 (大正5年):歌詞・楽譜が刊行された。題名は 「哀歌 (真白き富士の根)」。
         このころから演歌師によって一般に広められた。
1935年 (昭和10年):松竹により映画化。題名は 「真白き富士の根」。
1954年 (昭和29年):大映により映画化。題名は 「真白き富士の嶺」。

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<第1回大正を楽しむ会でバイオリン演歌> 2006




2006年6月18日(日)、武蔵小杉の中原市民会館ホールで第一回大正を楽しむ会が開かれた。あいにくの雨だったが多くの方がきてくださり本当にありがたかった。

珍しい演芸や唄を見て聞いて、一緒に唄ってみんなで楽しんだ1時間半であった。ここで歌わなければもう一生歌わないような曲ばかり!アンケートも取ったので結果しだいでは最初で最後の会になるかも知れないが、またやりたい気持ちである。

演目はチンドン屋、南京玉すだれ、剣舞、のぞきからくり(金色夜叉)、バナナの叩き売り、民謡、かっぽれ、軍歌、寮歌、バイオリン演歌、童謡、唱歌等、大正と昭和初期に関連あるなら何でありである。

演歌師の大先生が船頭小唄を歌うときに伴奏する弟子の役が帝大生で、せりふはほとんどなく先生に”おい、唄本売れてるか”といわれて”ぜんぜん売れません”と愚痴る役であった(写真)。

寮歌では旧制の大学生3人でデカンショ節、嗚呼玉杯に花うけて、紅もゆる岡の花、若き血(慶応応援歌)、人を恋うる歌を太鼓と鳴り物で歌うというより叫ぶのだが、なかなか息が合わずにコントのようになってしまい、見ていて一番笑ったとのことであった。

リーダ格の75歳の元慶大生は慶応の帽子は高校生みたいだといって、白絣に袴姿でわざわざ早稲田の生協で角帽を買ってきてかぶっている。それで”慶応、慶応、陸の王者慶応”と歌うからおかしい。元株屋だったとのうわさなのでてんぷら学生だったのでは?帝大生はもちろん帝京大生ではない。

その他みんなで歌った歌
ちんどん屋:酋長の娘、美しき天然    軍歌:広瀬中尉、青島節、戦友
バイオリン演歌:船頭小唄(帝大生伴奏)、オッペケペー節、真白き富士の根(帝大生)、ゴンドラの唄、金色夜叉、ああ金の世、のんき節、籠の鳥、東京節
ビオラ独奏:赤とんぼ、他
ソプラノ独唱(高松先生、伴奏はピアノとビオラ):宵待草、浜千鳥、出船、浜辺の唄
最後に全員で故郷を合唱(手話付き)

日時:2006年6月18日(日)9時45分開演  
場所:中原市民館2Fホール(JR南武線,東急東横線武蔵小杉駅)  木戸銭:入場無料

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Author:tyumeji
日本の大道芸をみたりやったり、日々の活動を報告する。
昔懐かしきあのメロディーや風景を紹介します。

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昭和ロマンを楽しむ会 http://peaman.raindrop.jp/syowa-roman/index.htm

書生のアルバイトであったバイオリン演歌・書生節や「のぞきからくり」等の日本の大道芸について調べたりしたことを紹介する。 帝大生ゆめじ

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