”ストーカーと呼ばないで”はフォークか書生節か <オオタスセリ>


2005年7月に浅草東洋館のおかしな音楽空間に出演していたペコちゃん(オオタスセリ、太田寸世里)の一人コントをみた。コントの芸暦は25年もあり、オールドミスやOLのコントで面白くまた安心してみることができた。最後に、彼女はギターを取り出してきて、弾き語りを始めた。その歌を聴いてなんともいえないすごさを感じてしまった。長い間忘れていた、昔歌ったことがある歌、受験生ブルース、主婦のブルース、三上寛の夢は夜開く(七に二をたしゃ九になるが苦になりやまだまたいいほうでーー)を思い出してしまったのだ。また、”わたしのいろは”も面白く会社で歌ってやりたいが、年配の独身女性が多いので怖くて歌えない。

ギター侍なんかより、何十倍もすばらしい内容であった。テーマに社会性があり、現代のいろいろな問題を捉えている。私は政治や戦争を直接を批判したりするフォークはあまり好きでなかったが、世相を皮肉るようなフォークは好きだった。
よく考えると35年前のフォークよりずっと前に社会を皮肉ったりしていた歌が存在していたわけであり、それが書生節、バイオリン演歌だと実感した。

オオタスセリさんがあの添田唖蝉坊のように現代を鋭く観察して、おもしろくて悲しい歌(平成の書生節)を作ることを願っている。

ロビーでスセリさんがパソコンで作った自主制作CDを販売していたのですぐ買った。初めての対面販売であり、私のは第1回製造分(70枚?)だそうだ。大ヒットしたらゆめじのお宝になる予定である。
その後、ラジオ等で取り上げられて注文が相次ぎCD製造が追いつかないそうである。

7月30日のTBSラジオ「土曜ワイド」永六輔の番組にスセリさんが12:30分ごろ出演してストーカーと呼ばないでのCDをかける予定。 TBSラジオ「土曜ワイド」:http://www.tbs.co.jp/radio/rokuchan/
(しっかり聞いたけど、番組ではラジオ番組のくせにこのCDをパソコンでコピーする実験のみで歌が聴けなかったぞ。でも、面白い歌が聞けたからよしとするか)

<オオタスセリ(ペコちゃん)ギター弾き語り>
一人コントのお姉さんがおかしくて哀しい歌を自作自演! ”ストーカーと呼ばないで”、その他
日時:2005年8月19日(金)19:40ー
場所:四谷コタン (03-3357-7093)
http://www2.ezbbs.net/31/kimmtck/img/1121964555_3s.jpg

オオタ スセリ(詞&曲&歌)
ストーカーと呼ばないで あなたが好きなだけ  ストーカーと呼ばないで あなたを見てるだけ
ストーカーと呼ばないで あなたをつけただけ  ストーカーと呼ばないで あなたが好きなだけ
実践:このサビの部分は原曲より2度あげると、バイオリンではD線とA線のみで人差し指(1)と中指(2)と開放弦(0)だけで演奏できるのでとても簡単です!あと、物語の部分はG線のラとシのみでまた1と2のみ、Let's try!

”私のいろは”
い 行かず後家にも 五分の魂
ろ ろくでなしは男前が多い
は 歯にはキヌ着せといたほうがいい
 -ゑひもせすまで続くー

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がまの油売り&バイオリン演歌 <鶴ヶ島サマーカーニバル 2005>



2005年7月16日(土)、最初に、にわか雨があったりしたが、なんとかカーニバルが始まった。子供から若者まで、浴衣や作務衣等を着た人が多く、お祭の雰囲気が出ていた。
去年とほぼ同じ場所で七色唐辛子売りとバイオリン演奏を始めたところ、事務局の放送が”大道芸の唐辛子売り、バイオリン演奏”を路上でやっています、またメインステージではレキントギターの演奏があります”とアナウンスしていた。大道芸(香具師)とギタリストとを一緒に紹介されてもーーー、いつのまにか音楽家になってしまっているではないか。

今年はサブステージで地元のロックバンドの演奏の間に大道芸をやることになっており、ロックバンドの前座が大道芸のバイオリン演歌とガマの油売りという組み合わせである。高価な音響装置はすべてロックバンドの所有物らしい。メンバーとその家族はステージの裏にテントまで建てて家族総出で楽しんでいるようだ。スタンドマイク等は彼らが気持ちよく貸してくれた。
葵連の阿波踊りの後、唐辛子売りの屋台を一時的に閉めて、われわれのステージが始まった。子供が多いので大正演歌ではなく、昔懐かしい売り声シリーズにした。
まず、自信たっぷりに朝の豆腐屋さん(2音)、チャルメラ(3音)をやる(演奏?)。すかさず、子供から”それ私ピアノでできるよ!”という突込みまでもらった。バイオリン演歌は美しき天然(ああ世は夢か幻か)のみで、最後ははロックの前座なので竹棒で板をたたいてリズムを取り、ロック調(?)のぞきからくり”金色夜叉”をやった。
”貫一、お宮!波乱の恋物語、 欲か迷いか両親の すすめすすめに従い宮さんはーー”

次は、文七さんのガマの油売り、ガマを入れる鏡張りの箱、ガマの油を入れる大貝(はまぐり)、のぼり、ガマの置物等、小道具を作るのが大変でまた持って来るのもかさばって大変である。はまぐりは築地で買ってきたものを焼きハマグリにしたいところを我慢して、ゆではまぐりにして食べて殻を薬の入れ物にしたそうである。刀で腕を切って”血”が適度に出て無事終了した。ロックバンドのメンバーの方にも楽しんでもらったようだ。

七色唐辛子も雨が降り出したのでどうなることかと思ったが、なんとか商売できて、バイオリン宣伝隊としてもお祭を楽しめたし満足であった。

不忍池の<蓮見茶屋>でまっくろけ節を歌う! 2005






東京メトロにも蓮見茶屋のポスターが掲示されている。どんな所かさっそく、水上音楽堂の横の蓮見茶屋へ行ってみた。茶屋の縁側からはもちろん内部からも蓮池がみえ、向こうには弁天堂がある。今は緑の葉の中にところどころにピンクのつぼみが見える状態である。夕方は茶屋の中にも風がとおり気持ちが良い。
夜はかなりの量のつまみセット(弁当)と生ビールまたは酒におかわり1杯がついてたった1500円である(写真参照)。生ビールが300円(三文)はいい。絶対おすすめする。

演芸は昼がほとんどであるが、今日は夕方18:10から福岡詩ニ氏のバイオリン大正演歌があった。座敷での演芸で酒も入っているためか、お客もリラックスしていて、のんき節をやっていると、おれも歌えるぞとおじさんが出てきて”のんきな父さん、鉄砲かついではるか向こうをながむれば、つがいの鳩ポッポが並んで止まってる、真中ねらって撃ったらどっちかあたるだろ、ははのんきだね”と歌いだした。

そうだ、カラオケがなかった時代はみんながこんな風に次々と歌っていたのだ、テープなんかセットする必要もなかったから。

こんな演芸の途中で、なぜか、着物を着てたまたまバイオリンまで持参していた客(ゆめじ)が飛び入りで座敷に上がり歌ってしまった。酒の席ではこれしかないと思いつきでまっくろけ節(まっくろけのけ!)。1-3番の後、”お嬢さん膝をくずしてカルタとりーー”とまでやってしまった。
皆さん気持ちよく拍手してくださりほっとした。あと、もちろん弁当は全部食べて飲み物はおかわりもして茶屋を出た。

蓮見茶屋 2005年7月16日~9月30日まで 昼13:00-16:00 夜17:00-21:00
http://www.ueno.or.jp/summer-fest_05/hasumi.htm

川崎市市民ミュージアムにバイオリン演歌師登場!



デモテープを市民ミュージアム「野外ライブ」係に送って数週間後、やっと”野外ライブストリート許可証”なるものが送られてきた。HPで”テクニックは関係ない”と宣言しているので本当にテープを審査したかどうかは不明であるがとにかく許可証を手にした(写真参照)!一応音楽と認められたことはうれしい。
バイオリン演歌を知らない人にとっては、テープを聞いても、バイオリンを弾きながら歌っているとは思わないかもしれない。

というわけで、7月の日曜日にミュージアムの中庭で演奏してきた。
武蔵小杉の駅からバス(200円)に乗って広い等々力緑地の中のミュージアムに10分ほどで到着した。
職員用の入口にある受付けで用紙に名前(グループ名)を記入してどこで演奏したらいいですかと聞くと、どこででも自由にどうぞといわれた。どこででもといわれもあまりに広すぎて困ってしまう。
広い中庭とそこへ通じる道路には楽四季さんの胡弓(中国の二胡ではない)とバイオリン演歌の私しかミュージシャンはいない。楽四季さんはかなり大きなアンプを持ってきていたので道路の方でやり、私はトーマス炉がみえる中庭からミュージアムへの入り口付近で演奏することにした。
なお、胡弓は中国の二胡ではなく日本の楽器であり、バイオリンは江戸時代の浮世絵では”四弦大胡弓”といわれたらしい。

観客はミュージアムへの入場者と犬を連れたりして公園を散策する人たちだけで多くはない。
車椅子2台を含む年配者のグループ(6人)が書生姿をみつけて道路から中庭にまでわざわざ来て聞いてくれた。1曲ごとに一緒に歌ったり拍手をしてくれたりするやさしい人たちで最後まで聞いてくれた。最後には写真をお互いに取った(写真参照)。

あと、年配の男性が寮歌をやってくれといわれて、ああ玉杯に花受けて(一高)、紅もゆる丘の花(三高)、ああ黎明は近づけりをやった(それ以外は知らないし覚えられない)が、”寮歌はいいね、元気が出てくる”といってくれた。知床旅情をリクエストされたが、昭和初期までの唄をやっているのでと断ってしまったが、後で考えると残念なことをしてしまった。知床旅情は早春賦(大正2年)のパクリ(強い影響を受けた?)であり、大正演歌としても問題ないはずだ、次回からレパートリーに入れよう。

いろいろ年配の方と話していて、親が歌っていたのを子供の頃聴いたという人が多かった。また、バイオリン演歌師は見たことはないが、のぞきからくりは記憶にあるという方も多かった。それを聞くと、ついのぞきからくり節もやりたくなり、バイオリンをしまって紙芝居を取り出して”金色夜叉”と”勧善懲悪、この世の誡め、地獄極楽”までやってしまった。
そうだ、バイオリン演歌をやるまえは大道芸、のぞきからくりや売り声をやっていたのだった。
子供たちは閻魔大王や鬼の絵に興味があるらしく、意味は分からずとも立ち止まってみてくれた。
のぞきからくり節は南京玉すだれやバナナのたたき売りと違ってもちろん音楽(歌)であるので問題ない。
8月はライブはお休みだそうで、涼しくなるとたくさん自称ミュージシャンが出てくるはずである。

演奏曲目:金色夜叉、東京節、籠の鳥、のんき節、まっくろけ節、さすらいの唄、船頭小唄、七里ヶ浜の哀歌(真白き富士の根)、故郷、人を恋うる歌、寮歌(前述)等

川崎市民ミュージアムの”野外ライブ許可証”?


音楽演奏をやろうとしても都会では道路や公園ではなかなか自由にはできない。練習しているだけですといっても許してもらえない。武蔵小杉からバスで行った等々力緑地内の川崎市民ミュージアムで演奏ができるといううわさをきいてホームページにアクセスしてみた。おおー、”市民演奏家、ストリートミュージシャン募集! ミュージアムが野外を市民演奏家に開放します!”と確かに書いてある。

この市民ミュージアムは1988年に「都市と人間」という基本テーマをかかげて開館したものである。

”クラシック、ジャズ、フォーク、ロック、邦楽、民族音楽など、ジャンルは問いません。年齢もテクニックも関係ありません。オリジナリティあふれる音楽をお待ちしています”とある。演奏場所はミュージアム前公園道路と中庭トーマス転炉前ステージだそうである。

年齢もテクも関係ないというのでこれは楽勝。次にバイオリン演歌は邦楽部門でよいとしてオリジナリティは”独創性”はないが、別の意味で80-100年前の”本物”の音楽だから基準をクリアーとしよう。

”申込用紙に、ご自分の演奏を録音したテープかMDを、市民ミュージアム「野外ライブ」係あてに送ってください”と最後に書いてあった。え!、やっぱりデモテープが必要なの、テクは関係ありませんと書いてあるのにーーー。高下駄で袴を着けた書生姿の写真を送れば合格と思っていたのに。やっぱり、大道芸や演芸ではなく、音楽活動であることを証明しないとだめみたいである。

というわけで、しぶしぶ演奏テープを「野外ライブ」係あてに送って数週間、”野外ライブ許可書”なるものが送られてくるのを待ち続けた。
これで不合格になったら音楽ではなく、大道芸をやっていると今後は説明しよう。 つづく!

川崎市民ミュージアム:http://home.catv.ne.jp/hh/kcm/

プロフィール

tyumeji

Author:tyumeji
日本の大道芸をみたりやったり、日々の活動を報告する。
昔懐かしきあのメロディーや風景を紹介します。

バイオリン演歌 大正演歌 書生節 演歌師 昭和演歌師 平成演歌師  昭和ロマンを楽しむ会(享受昭和浪漫的会) 戦時歌謡

昭和ロマンを楽しむ会 http://peaman.raindrop.jp/syowa-roman/index.htm

書生のアルバイトであったバイオリン演歌・書生節や「のぞきからくり」等の日本の大道芸について調べたりしたことを紹介する。 帝大生ゆめじ

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